農業では大活躍!?外来種「ナヨクサフジ」を食べる

野草

河川敷を散策中、紫色の綺麗な花の群落を見つけました。

こちらはナヨクサフジといい、ヨーロッパ原産のマメ科植物で日本には緑肥として導入されました。

現在もヘアリーベッチという名前で緑肥として販売され、農家さんを支えている植物です。圃場で利用すれば、空中窒素固定の力で土壌を肥沃化し、次作の肥料使用量を抑えることができます。またナヨクサフジの持つアレロパシーの作用で圃場の雑草を抑え、除草剤の低減や省力化にもなります。

そんな農家の味方、ナヨクサフジが野生化してしまったことで在来植物の生息地が侵食されているのも現状です。圃場だと雑草の発生を抑えてくれる有益な植物が、圃場から一歩外に出ただけで他の植物の成長を妨げてしまう問題の植物になってしまうのです。そのため、「産業管理外来種」という「適切な管理が必要な産業上重要な外来種」に指定されています。

名前にフジと入っているのでフジの仲間かと思っていましたが、ナヨクサフジはマメ科ソラマメ属、ソラマメの仲間だったんですね。知りませんでした!

写真のような絹さやの1/5ほどの豆をつけます。

10分程度で十分な量が取れました。

今回は小さくて可愛らしいこちらの豆を採って食べてみました!

持ち帰って水でサッと洗い、成熟したサヤと未熟な平べったいサヤに分けました。未熟なものはサヤごと塩茹でにし、成熟したものは剥いて豆を取り出し「豆ご飯」にします。

小さいけれど風味は枝豆?

初めに塩茹でから。

水1Lに大さじ1の塩を入れて3分ほど茹でました。湯気から漂う青っぽい豆の香り、結構好き…。

まずはサヤごとパクリ。

小粒ながらも実からは枝豆のような風味をしっかりと感じました。粒もつるっとしていてとても美味しいです。

しかし、サヤが硬すぎる!!ソラマメの仲間だからですかね?何度噛んでも噛み切れず、永遠に口の中にサヤが残ってしまいます。サヤを食べるのは諦めて中の実だけ食べましょう。

絹さややスナップエンドウみたいに食べれると思ったのにな〜。

香りは一丁前の豆ご飯!

次は豆ご飯を炊きます。

生の状態でサヤからちまちまと豆を取り出します。これが一番手間がかかる工程です…。

こちらがサヤから取り出した豆です。

正確な時間は計っていませんが、豆ご飯1合分の豆を取るのに15分くらいかかったでしょうか。タイムパフォーマンスが悪いです。いや、手間を掛けたからこそ、それ以上の美味しさに期待ですね!

それでは炊いていきましょう!

お米1合にナヨクサフジを入れて、塩を2つまみ。あとは炊飯器にお任せしましょう。

炊飯器のスイッチを押してから20分ほど経ったころ、豆のいい香りが漂ってきました。この時点で期待大!!!これは炊きあがりが楽しみです。

そして…こちらが炊き上がったナヨクサフジご飯です!

豆のいい香りがします。塩茹でしたときの枝豆の香りは消えてしまいましたが、通常のえんどう豆の豆ご飯と同じ香りがします。

気になるお味は…、薄っすらと豆の風味を感じました。茹でたときのようなつるっという舌触りではなく、少し粉っぽくなるという変化もありました。香りはあるのに味があまりしないということは出涸らしになってしまったということでしょうか?

結果、食材として利用する価値はアリ

産業管理外来種に指定されているナヨクサフジ、茹でた時も炊いた時も香りがとてもよく、食材として利用する価値はあると思いました。

そして現在も農家さんを支える有用な植物ですので、外来種だから悪者だ!と決めつけず、上手く付き合っていけるといいですね。野生化してしまったものに関しては豆を食べて、熟して落ちる種子を減らしていきたいと思います。

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