街中のフェンスや護岸などを大きな葉っぱで覆い尽くすこちらの植物…
この青々と生い茂るのはクズというマメ科の植物です。
クズは日本及び東アジアに分布するつる性の多年草で、8〜9月頃に赤紫色の花を咲かせます。日本ではその赤紫色の花は秋の七草の一つとされています。
他にもクズの根は、葛粉をとったり、漢方薬(葛根湯など)にも利用されています。
クズは昔から我々の生活に欠かせない存在だったんですね〜。
一方、アメリカなど海外ではこの驚異的な繁殖力で他の植物を覆い、枯らしてしまうため「世界の侵略的外来生物ワースト100」に選定され、問題の外来種として忌み嫌われているそうです。また、温暖な地域だと日本の冬のような寒さがないため、一年中クズが枯れずに生育し続けてしまいます。あの旺盛な茂り方で一年中生育し続けたら確かに苦労しそうですね…。
上の写真はクズの天敵、マルカメムシです。クズを含むマメ科の植物の汁を吸います。小型のカメムシですが、大量に集まり過ぎると流石のクズも枯れてしまうそうです。
マルカメムシのような天敵がいない地域だとクズは何も恐れることなく生息域を拡大していってしまうのですね。
そんなクズですが、私の家の近所でもクズ以外の植物が見えないくらいに繁茂しているので、駆除(微々たる量ですが…)も兼ねて採集・調理していきます!
採るのは簡単、しかし下処理が大変…
採って水洗いしたクズの茎です。茎の先端はポキポキと簡単に折れるので採るのはとっても簡単!
洗って汚れを落としたら、沸騰したお湯でさっと茹でていきます。1〜2分茹でたら水にさらします。
次はこの毛の生えた皮を一本づつ剥いていきます。これが結構しんどかったです(;´д`)
以前オオブタクサの皮を剥いた時はスッと剥けたので苦労しなかったのですが、クズはぐにゃぐにゃとしていてすごく剥きづらかったです。茹で時間が長かったのかな?
なんとか剥き終えました。一品目はこれをめんつゆにつけておひたしにしようと思います。
毛のついた皮もそのまま食べてみる
2品目は皮を剥かないで食べられる方法を考えたところ、やはり天ぷらしかない!ということで…。
これに衣をまとわせて油でカラッと揚げていきます!
これは…天ぷら…?少し目を離したら揚げ過ぎてしまい、唐揚げのような見た目になってしまいました(涙)。しかしサクサクに揚がったので良しとしましょう!2品目完成!
実食!クズと呼ばずに宝と呼びたい。
こちらが完成した2品です!
まずはおひたし。めんつゆでいただきます!
サクッポリッとした食感にほんのりと甘く、エダマメのような香りがあります。美味しい!
皮剥くのは面倒だけど剥く価値は大いにありますね!これはリピ確!冬が来て枯れてしまう前にもう一度食べたいですね〜。
次は天ぷら(?)。皮を剥かなかったので毛が舌に障るのではないかと懸念していましたが、なんと全く気になりませんでした!高温の油で揚げることで毛が柔らかくなったのでしょうか?皮も固くなく、とても美味しかったです!
天ぷらでもおひたしでもエダマメのような甘味を感じたので、クズは甘みのある植物だということが分かりました。やっぱりマメ科の植物って有益なものが多いな〜と食べながら思いました。
日本全国どこにでも生えていて、しかも民家の近くや河川敷など我々の生活圏でも案外すぐに見つけることができます。身近にたくさん茂っている植物がこんなに美味しいなんて素敵ですよね(^^)
クズという名前が不相応にも感じます。これからは敬意を払って宝と呼びます!(笑)
皆さんもクズを見かけたら茎をポキポキと折って食べてみてください〜。美味しいですよ(^^)
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